【ヨーロッパ観光に役立つ】歴史建築の特徴講座(ポスト・モダン様式)

【ヨーロッパ観光に役立つ】歴史建築の特徴講座(モダン様式)の続きです。

今回は、機能主義だったモダン様式への反動で生まれたポスト・モダン様式について、ご紹介いたします。 

ポスト・モダンとは?

The Portland Building in August 1982. Photo by Steve Morgan.

Portland Building – Wikipedia, the free encyclopedia

19世紀終わりから1970年代まで世界中で流行したモダン様式。
それは普遍的・国際的をモットーとし、均一化された機能的な建物を良しとする考えでデザインされていました。

しかし、1970代からは、「どこに行っても同じような風景は退屈だ・人の心が貧しくなり荒廃してしまう」という、
モダン様式への批判や反動が出てきました。
それによって、建物に装飾性や遊び心を活かしたデザイン、建築家の個性的な表現をしようという動きが生まれました。
それがポスト・モダンです。

ポスト・モダンにおいては磯崎新など、日本人建築家による国際的な活躍も増えてきます。

ポスト・モダン建築の特徴

■現代建築に古代ギリシャ・ローマ時代の様式をデフォルメして取り入れている
■ポップでユニークな要素を取り入れている
■色彩、特に赤茶と青緑の組み合わせを多く用いる
■円やアーチ、三角形のモチーフを用いる

ポスト・モダン建築の代表例

■ソニービルディング(旧AT&Tビル)(ニューヨーク・アメリカ)

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SONY Building by Kaitlin

画像右奥のベージュ色のビルです。
てっぺんに神殿の破風をデフォルメした装飾が施されています。
これはブロークン・ペディメント(破れ破風)と言い、後期ルネッサンス様式でよく用いられたデザインです。

■ラ・ヴィレット公園(パリ・フランス)

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Bernard Tschumi- Park de la Villette, 1987-91 by Rory Hyde

■チェンストホヴァ駅(シロンスク・ポーランド)

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チェンストホヴァ駅 – Wikipedia

■つくばセンタービル(茨城県つくば市)

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File:Tsukuba center building, march 2012.jpg – Wikimedia Commons

日本を代表するポスト・モダン建築家の磯崎新(いそざき・あらた)の有名な作品です。
日本だけでなく世界的に活躍しており、主な作品にロサンゼルス現代美術館やバルセロナのパラウ・サン・ジョルディ競技場などがあります。

■ロサンゼルス現代美術館(アメリカ)

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The Museum of Contemporary Art, Los Angeles by Tina Ivano

【ヨーロッパ観光に役立つ】歴史建築の特徴講座(まとめ)に続きます。