【ヨーロッパ観光に役立つ】歴史建築の特徴講座(近代・現代編)

【ヨーロッパ観光に役立つ】歴史建築の特徴講座(古代~近世編)の続きです。
こちらは近代(19世紀)~現代建築編となります。

 

 

 

 

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各時代の建築様式まとめ(19世紀~現代)


※見出しは詳細記事にリンクしています。(クリックすると別画面で開きます)

 

ネオ・クラシック様式


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Pantheon, Paris by Nick Loyless パンテオン(パリ)

18世紀後期、ロココへの反動としてフランスで発生。
クラシック・リバイバル、また単にクラシック様式とも呼ばれる。

■教会建築、国家的なモニュメント建築
■古代ギリシャ・ローマ神殿建築のリバイバル
■荘厳で力強い表現
■市民の時代、革命の時代の新国家を表す精神

 

ネオ・ゴシック様式


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Tower Bridge, London by Damien Everett タワー・ブリッジ(ロンドン)

18世紀後半のイギリスで、ネオ・クラシック様式への反動として生まれる。
最盛期は1855年~1885年。

■宮殿建築や大学、橋建築など
■ゴシック様式と同様の特徴
(外観:高い塔、尖塔アーチ、ガーゴイルなど)
(内装:大きな窓とステンドグラス、交差リブヴォールトなど)

 

ネオ・ルネッサンス様式


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St.Petersburg-Glavny Railway station by Jorge Láscar サンクトペテルスブルグ・モスコーフスキー駅

別名ルネッサンス・リバイバル。
19世紀前半に15~17世紀のイタリアのルネサンス様式が再評価されたもの。

■歌劇場建築や鉄道駅建築によく用いられる
■ルネサンス様式と同様の特徴
(正円アーチ、左右対称、水平線の強調)
■各地の新しい建築様式とのミックス

 

ネオ・バロック様式


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File:Musée de Picardie Amiens.jpg – Wikimedia Commons ピカルディー美術館(アミアン・フランス)

1853年~1870年にフランスで流行。別名「第二帝政式」(ナポレオン3世の時代)。
国家の威信を表現するのにふさわしいとして、帝国主義の先進諸国が競って取り入れた。

■宮殿建築
■豪華絢爛
■国家の財力を示すような大規模建築

 

アール・ヌーヴォー


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Sagrada Familia Altar by john.purvis サクラダ・ファミリア教会(バルセロナ・スペイン)

19世紀終わりから20世紀初めにフランスで始まり、ヨーロッパ中で開花した「新しい芸術」。
ブリュッセルとパリ、リガ(ラトビア)に有名な作品が集中。
ドイツではユーゲントシュティール、ウィーンでは分離派と呼ばれる。

■新素材である鉄・ガラスを使用
■花や植物など自然界のモチーフや曲線を多用
■世紀末の退廃的・享楽的なムードを表現

 

アール・デコ


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The Empire State Building by Ivo Jansch エンパイアステートビル(ニューヨーク・アメリカ)

別名「1925年様式」。主にアメリカのニューヨークやマイアミで流行。

■商業建築
■伝統にとらわれない新しい時代を表すデザイン
■直線や幾何学模様
■原色を使用したコントラストの表現
■古代エジプトなどエキゾチックな文化のデザインも採用

 

モダン様式


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Wien Looshaus by City-Map.at ルースハウス(ウィーン・オーストリア)

20世紀前半に登場し、1970年代まで世界の高層ビル建築の主流となった様式。

■高層ビル
■新素材である鉄・ガラス・コンクリートを使用
■装飾なし・機能重視
■普遍的・国際的(特定の国をイメージさせる要素を持たない)

 

ポスト・モダン様式


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Arata Isozaki – Simple English Wikipedia, the free encyclopedia 静岡コンベンション&アートセンター(静岡県)

1970年代後半にヨーロッパ各地で生まれた「後・モダン様式」。
画一的なモダン様式への反動から生まれ、遊び心を取り入れたデザインが求められるようになった。

■古代ギリシャ・ローマの建築様式をデフォルメして採用
■ポップでキッチュ、アートっぽいデザイン
■カラフル(特に赤茶と青緑の組み合わせ)
■円やアーチ、三角形のモチーフを用いる

 

以上、20回にわたって洋風建築の歴史と特徴をご紹介してまいりました。
ひとつの建物が時代を追って増改築されたものや、ひとつの建築に複数の建築様式を用いている場合もあり、
見分けるのが難しいこともありますが…
各様式の時代と特徴をなんとなく覚えておくと、旅先での散策や写真撮影がより面白くなります!

 

 

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